住職挨拶
住持问候
2021年7月
慈光2021年7月 | 慈光2021年7月 |
住職挨拶
「気づいていること」の大切さ
1ケ月ほど前、長時間パソコン作業をしたあとに、眼の充血が気になったため、眼医者を受診しました。点眼薬をもらって、3日ほどで無事、目の充血は治まりました。しかしその後、眼科の先生に勧められて、2つの検査を受けることにしました。
一つは血液検査です。目の充血が、何かのアレルギー反応によるものかもしれない、ということで検査したのですが、結果、杉花粉に対して、アレルギー反応が出ることが判明しました。
幼少期からお寺にいて、杉、ヒノキに囲まれた生活をしてきましたが、これまで、咳、クシャミ、鼻水などのアレルギー反応が出たことはありませんでした。なので、検査の結果は意外でした。
けれども、言われてみれば確かに、充血が酷くなる数日前から、山の間伐や、間伐で出た、杉枝の粉砕などを行っていたため、弱点である眼に反応が現れたのでしょう。
もう一つは、緑内障の検査でした。検査の結果は、正常ではないが、異常でもない。私の場合、強度の近眼であることもあって、本来なら丸い眼球が、ラグビーボールのように変形している。
さらに、空手で負った目の打撲などで、網膜が伸びて薄くなっている箇所があり、今後、その辺りが破れる可能性があるというのです。定期的に検査をしたほうがよい、との診断でした。
自分の体も確実に老化している。老病死の流れには逆らえない。そのように頭では理解しているつもりでも、こうして現実を突きつけられると、少しショックです。
けれども、痛みや違和感がハッキリと表面化したことによって、自分を振り返ることができる。「あまり無茶をせず、体を労おう」という気になります。
つくづく自分では気づかない弱点を指摘してもらえることは、「ありがたい」と思いました。
誰にでも長所と短所があります。 誰にでも強点と弱点があります。
心、技、体のそれぞれに、長所・強点があり、心、技、体のそれぞれに短所・弱点があります。善き人生をおくりたいと願うならば、自分の長短・強弱の両方を知って、それらを活かしたり、管理することが大切です。
人生の前半に課題となるのは、長所、強点です。自分の「長所、強みを知って、いかにそれらを伸ばすことができるか」が人生の質を大きく左右します。
人生の後半に課題となるのは、短所、弱点です。自分の「短所、弱みを知って、いかにそれらを補い、管理することができるか」が、余生の質を大きく左右します。
特に短所・弱点は重要です。それが自分には見えづらいからです。他人の短所・弱点は、放っておいても目につくのに、自分のそれには、なかなか気づきません。さらに短所・弱点は、認めがたい。誰かに短弱を指摘されても、「ああ、そうですね」とは認めがたいのです。
世の中には、長所を伸ばして、短所や弱点には目を向けるな、という指導者もいます。それも確かに正解です。けれども、若年者や初心者には正解であっても、年長者やその道のベテランともなれば、短所・弱点の管理不足が命取りになります。
完全無欠の人間はいません。 欠点がひとつもない人など、いないのです。
だからこそ、お釈迦さまは、「気づいていること」の大切さを強調されました。
仏教では、気づきを重要視します。 自分の外側だけでなく、内側に意識を向け、観察し、気づく。
自分の心。 自分の言葉。 自分の行い。 自分の体。 自分の仕事。 自分の結果。
無意識に、惰性で過ごすのではなく、自分自身に気づいていること。自我から離れ、自分を俯瞰して見つめること。
私たちの体は「六根(ろっこん)」と呼ばれる感覚器官を供えています。眼、耳、鼻、舌、身、意の六つの感覚器官です。体が痛いとき、心が苦しいときこそ、自分に気づくことができるのです。
今回、2つの検査を終えた後に、私の眼球映像を見ながら、先生が現状と今後の予防についてもご指導くださいました。画像を見ていて気づいたことがあります。
盲点です。
人間の目には、見ようとする点より耳側に、視野の欠けている点があります。眼球の網膜内側に視神経が入る部分で、そこは視野が一定部分欠損しています。
私の眼球の画像にも、楕円形の盲点が黒い影としてハッキリと写っていました。
私たちは普段、色々なものを見て、見たものをすべて知った気になっていますが、そもそも、見ているようで見えていない部分があるということです。
「自分の心に、自分の技術に、自分の知識に、自分の行いに、盲点がある」 「自分の心に、自分の技術に、自分の知識に、自分の行いに、弱点がある」
盲点は無くすことはできません。 弱点も無くすことはできません。
ただ、そのことに気づいているか、いないかで、人に対する謙虚さ、素直さが変わります。
ものごとに対する、慎重さ、丁寧さが変わります。何より、自分自身に対する、気づきと、観察力が変わります。
おかげさまで私は、ある程度丈夫な体に産み育ててもらいました。けれども久々に病院を受診し、短所と弱点に気づかせていただきました。
歳を重ねて傲慢になるのではなく、謙虚に、素直に精進していきたいと、あらためて思った次第です。
ワクチン接種が進みつつあるとはいえ、コロナウィルスの影響はまだしばらく続くことでしょう。けれども、今しかできないこと、今だからできることを、丁寧に、でも着実に進めていく所存です。
皆様もどうぞ、ご自愛ください。
願わくは、慈悲、知恵、仏性の三種を育み、心身堅固にして、大愚に一遇を照らさんことを。
合掌
令和3年7月吉日 佛心宗 福厳寺住職 大愚元勝
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住持问候
“觉知”的重要性
大约一个月前,我用电脑工作了很长时间,担心眼睛充血,所以去看了眼科医生。开了眼药水,用大约3天后,我的眼睛充血已经痊癒了。然而在那之后,我的眼科医生建议我进行两项检查。
一种是验血。我测试了眼睛充血可能是由于某种过敏反应,结果,我发现我对杉树花粉有过敏反应。
我从小就在寺庙里,生活在杉树和柏树的包围中,但我从来没有出现过咳嗽、打喷嚏或流鼻涕等过敏反应。所以测试的结果是出人意料的。
但是,如果问我,确实在充血严重的前几天,我一直在伐树,并压碎伐树产生的杉树枝,所以我觉得我的眼睛里出现了反应,而眼睛是我的一个弱点。
另一种是青光眼测试。检测结果不正常,但也不异常。我的话,强烈近视是一个原因,原本圆润的眼球像橄榄球一样变形了。
此外,由于空手道造成的眼部瘀伤,我的视网膜也有拉伸变薄的部分,未来该部分有可能被撕裂。医生诊断,我最好定期检查。
我的身体肯定在老化。我不能逆着老病死的潮流。我想自己脑子里已经明白了,不过,在面对这样的现实,还是有点震惊的。
然而,通过痛苦和不适感已经清楚地表现出来,我可以回顾自己。这让我想“应该照顾身体,不要过度使用”。
我很感激被指出了我自己没有注意到的弱项。
谁都有长短处。 谁都有强弱项。
精神,技能,体格上,各有长处和强项。精神,技能,体格上,也各有短处和弱项。如果希望过上美好人生,了解自己的长短处,强弱项,利用它管理它很重要。
人生的前半,课题是长处和强项。了解自己的长处和强项,并发展它,会很大程度影响人生质量。
人生的后半,课题是短处和弱项。了解自己的短处和弱项,弥补并管理好它,会很大程度影响余生的质量。
特别是短处和弱项,自身很难发现。对别人的短处和弱项,即使不刻意理会也能注意到,对自己却很难发现。而且也不愿承认。即使有人指出,也很难承认说:“啊,是这样啊”。
世上有人说,发挥长处,不要在意短处和弱项。的确如此。但是,对年轻人或初学者是正确的,而对年长者或熟练的人来说,短处和弱项的管理不足却是致命的。
没有完美无缺的人。一个缺点都没有的人是不存在的。
所以,佛祖才强调“觉知时刻”的重要性。
在佛教中,觉知很重要。 不仅外在,还要有意识地关注内在,观察并觉知。
自己的内心。 自己的语言。 自己的行为。 自己的身体。 自己的工作。 自己的结果。
不要无意识的,惰性的渡日,要去感受自身自心。保持与自我的距离,俯瞰,并审视自己。
我们的身体有所谓“6根”的感觉器官。眼,耳,鼻,舌,身,意这六个感觉器官。身体疼痛的时候,心里难受的时候,就会感受到自己。
这次,结束了2项检查后,医生边看着我眼球的影像,边告诉我现状和指导我今后如何预防。看着片子,我有一个发现。
那就是盲点。
人类的眼睛,在视点靠近耳朵的那一侧,视野处少一个点。在眼球的网膜内侧,视神经所在处,在那里,视野的一定部分是缺少的。
在我眼睛的片子里,也清晰的拍出了椭圆形的盲点的黑色影子。
我们在平时,看着很多东西,觉得看到了的事物,并了解它们。其实是感觉看见了,还有没看到的部分。
“自己的心,自己的技术,自己的知识,自己的行为,都会有盲点” “自己的心,自己的技术,自己的知识,自己的行为,都会有弱点”
盲点不能消去。 弱点也不能消去。
但是,有没有意识到这一点,对人的谦虚度和真诚度会有所不同。
对事物的谨慎度,认真度会改变。无论如何对自身自心的感受力,观察力会有所改变。
很幸运,我生来,被父母养育得身体健康。但是偶尔去医院检查后,发现了自身的短处和弱点。
让我再次觉得,不能随着年纪的增长而变的傲慢,而要谦虚的,真诚的精进。
虽然新冠疫苗的接种慢慢的进行着,但是新冠疫情的影响还要持续一段时间吧。但要把只有现在才能做的事,正因为现在才能做的事,认真的,并切实的去进行。
请大家请保重身体。
希望培育慈悲,智慧,佛性这三种,坚固心身,于大愚以一隅照千里。
合掌
令和3年7月吉日 佛心宗 福严寺住持 大愚元胜
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